現調のつもりが問題解決に発展

「いつでもいいです」と言われてた仕事の現調に、距離的にも中々行きづらかった神戸市灘区まで、時間的に融通が効くようになったので行ってきました。
余程暇でもない限り高砂市の大工がわざわさ灘区まで行って仕事をするのは効率が悪いと思うので、特別自分がしたいと思う仕事を除いては距離的には施工範囲外かなぁと思うのですが、以前お邪魔したときに「いつでもいいです」の言葉に魅かれて引き受けたので日曜ということもあり家族とドライブがてら行ってきました。
設計士、左官屋、塗装屋でチームを組んで立ち上げた建築会社兼カフェ兼雑貨屋のIDA conpanyさんの階段手すり取付けと本棚の補強という1〜2日程度の仕事の為だけなのですが、今日はそのメンバーが集まって打ち合わせがあったようで、初対面の2人の職人さんとも挨拶しました。
1人は塗装屋さん、そしてもう1人は外壁補修・シーリング(コーキング)・防水工事をされている方で、まさに今僕が調べている外壁補修のプロの方でした。
早速現調そっちのけで質問攻め。塗装屋さんも、タイルの施工もする左官屋さんも加わり、僕が抱えている外壁補修の状況を説明し、皆さんそれぞれの経験・知識を総動員して最善と思われる対策をご教授頂きました。
先日設計士兼現場監督の方に相談に乗って頂いたときは、エポキシ樹脂やコーキングで補修してもまた同じところが割れてしまう可能性があるので、補修ではなくコッキリやり変えた方が後々良いのではないかという提案を頂き自分でもそう思ったのですが、
今回は本職の方々。
経験による説得力が違います。写真を見てもらうなり、これはモルタルで貼ったタイルではなくボンド貼りのタイルだから、下手に剥がそうとすると下地のモルタルまで壊れてしまう可能性があるということ。
震災によるひび割れではなくモルタルの劣化によるものであるということ。
エポキシ樹脂はそう簡単に割れないということ。
塗装した上でシーリングという方法も最近見ること。
シーリングの上からでも塗装は乗ること。何年後かにその部分に不具合が出る可能性はあるかもしれないがシーリングの上に塗装は乗らないと聞いていた僕の意見に多少疑問視されていました。
御三方のいろんな意見の結果、やり方は1つだけではないが、
クラックにシーリングを擦り込み→撥水塗料→そしてさらに溶剤(または水性でも可)のクリアを吹き付ける
が良いのではないかという結果になりました。
外壁補修のプロ、タイル補修もする左官屋さん、塗装屋さんの御三方に個別ではなく同時に相談できたことがとても嬉しかったです。自分にとってまさにドリームチームでした。
昼寝中の子どもを見るため現調に参加できなかった嫁に帰りの車中でその事を伝えると、シーリングに塗装が乗らないというのは、その撥水塗料の説明書きに書いてあったらしく、それを塗装屋さんに質問したところ「どうでしょう?」「シーリングを避けて塗装します」という流れになったことが判明しました。
説明書きにそう書かれていたらそうなるのも当然かと思います。
説明書きを守ることも大切ですが、説明書きは念のために多少オーバーに書かれていることも多いと思うので、本職の方の経験や知識も重視したいと思います。
御三方とも本気で考えてくださり、それぞれの仕事への熱さが伝わりました。本当にありがとうございました。

鳥居解体

昨日の昼からシロアリ被害にあった鳥居の解体をしています。脚元がコンクリで固められているため、久しぶりにハツリ作業です。

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昨日まで4日間ほど床貼りをしてたのもあって腰が痛く、腹筋を鍛えなければヤバイと思いました。
金物屋に行く用事ができ、いつもの金物屋には置いていないものも必要なため、高砂市で1番大きい金物屋に行ったのですが、対応が事務的でなんか冷たい。特に問題があったわけではないのですが何か違和感を感じながら、いつもの金物屋に電話で在庫確認し、取り寄せてもらうことになりましたが、いつも通り愛想良く、店の人の愛想によってこんなに気分が変わるのかと思いました。
嫁にそのことを話すと、職人こそ、そうゆうところを気をつけたほうがいいと言われ同感でした。
お客さんとの打ち合わせでも気をつけようと思います。
本来は脚元のコンクリの土台ごと新しく交換したほうが確実ですが、施工費がかさばるので、コンクリの周りを囲う板金(写真の黒い部分)を残して中のコンクリだけハツルという、今思えば結構無謀な計画をしていました。実はそれは板金ではなく塩ビパイプで、ハツリ作業中パカッと割れてしまいました。
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一瞬ドツボにハマったと焦りましたが、塩ビパイプを新しく交換できる目処が立ち、逆にハツリやすくなりました。
初めての事とは言えこんな無謀な計画を立ててしまうのは自信過剰なのかもしれません。
既存の鳥居は比較的シロアリに強いとされるヒノキ材でしたが、何十年もかけてか?ジワジワ食べられていました。
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シロアリさんこんにちは!
柱の根元が地中の土と縁が切れてないのが原因でした。一度モルタルを打って地中と縁を切ろうと思います。

外壁クラックから気付いた建築屋としての在り方

先日このブログで紹介したサッシ廻りの雨漏りの件で、室内からの対策の後、室外からの対策として外壁タイルのクラック(ひび割れ)からの雨水侵入を防ぐ為に雨漏りのあった辺りのクラックにだけコーキングをしました。
この家全体的に細かいクラックが入っており、横殴りの雨が降るたびにこのクラックから雨水が侵入しタイルの下地材であるラス網が錆びて膨張し、ひび割れが大きくなるかもしれないなど、クラックを放置することによる不具合が色々あると思うので、特に横殴りの雨がかかる道路側のタイル壁全面を(コーキングは目立つので)塗装によって見た目を損なわずに防水性を高めようと思い塗装屋さんに相談したのですが、お勧め頂いた塗料はコーキングの上からは塗装できないタイプで、今回施したコーキングを避けて塗装し、今回の雨漏りとは関係のない部分の大きめのクラックに関してはエポキシ樹脂で埋めてから塗装するとのこと。
雨漏りしていた部分(コーキングした部分)の防水性能の向上も期待していただけに、この塗装の価値が半減するように思います。
その部分の防水性能を向上させる方法を尋ねたところ今まで特に経験もなく案もない少し歯切れの悪い返答でした。
ない場合は仕方ないです。ないものをどうにかしてとも言えず。
しかしそれでもどうにかしたい。
お客様に「これ以上方法がない」と言えば、仕方ないとはいえお客様の気持ちは我々から離れていくような気がします。
塗装の知識に関して本職の塗装屋さんに僕は敵わないですが、インターネット上では僕が大工を始めた15年前と違いたくさんの情報が溢れています。
お客様は工事に大金を支払うわけで、また自分の家の問題である以上インターネットでたくさん調べられていると思います。
僕個人としても出来る限り調べた上でお客様に説明しないと、塗装屋さんとの話をそのまま説明するだけでは全然調べていないことがすぐにわかってしまい、お客様の想いに応えていないと判断されてしまいます。「本物」かどうか簡単に判断されてしまいます。
尊敬する高橋塾長がよく言われている「本物の時代」の到来や「在り方」を正すという意味がよくわかります。
今まで「こんなもんや」と済ませてきたことが多々あります。「普通これぐらいしといたらええやろ〜」と自分の立場で判断する人がほとんどだと思います。
本当にお客様の立場に立って考えるという「在り方」を正すということは、一般的な「普通」では足りないということに気付きました。
お客様だけでなく、僕に仕事を依頼してくれる元請けさん、大工仲間、一緒に仕事をする職人さんに対しても同じことで、相手の立場をどこまで考えているか簡単にバレるように思います。
気付いたら、(これも塾長がよく言われる言葉ですが)「やるかやらんか」です。

朝ごぱん市 少し路線変更

今週土曜日の朝ごぱん市の出品材料を製作しています。
今まで嫁の作った惣菜を出品していたのですが、これからの季節柄、生ものの提供は控えた方がいいということになり、木工などのワークショップ的なことをしてみようとなりましたが、食品や雑貨を販売されているところで木くずを出すわけにもいかず、色を塗ったり紐で結んだりと簡単なものにすることにしました。
毎回その季節に合わせたテーマを決めて、今回は花を植えて楽しめるものを提供することになり、嫁に簡単な絵を描いてもらい、今は小さめの木製のプランターを作っています。
いつか何かで使えるだろうと捨てずに取っておいた床・壁・天井の端材を使っています。どれをどこに使ってどんな納まりでと考えて試作しては少し改良し、とまでは頭を使い、やりがいもあるのですが、2個3個と同じものを作っていくとワンパターンで内職みたいになってきて、今休憩がてらこのブログを打っています。
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この半月程、明石ロハスミーツ、神戸アースデイ、姫路アーティストフェスティバルと、出品の参考になればとイベントに行ってきましたが、作家さんから趣味でされてる素人っぽい方まで居られましたが、客の反応は自分も含め、「買う」というより「見る」という感じでした。
作品を売って生計を立てるのは難しいと思います。
自分達が朝ごぱん市で提供している惣菜も材料費程度の値段です。手間賃も儲けもないのですが、今回の木工品も材料費はほぼタダですが手間賃にもならないと思います。
では何のためにしているのか?
1つは今までと違ったことをしてみたいということ。
1つは建築とは違ったアプローチですが自分達のことを知ってもらい仕事に繋げていきたいということ。
と模索している状態です。
今は少なくても売ることが目的じゃないように思います。
嫁とアイデアを出し合い、ほぼ嫁の案が採用されているのですが、自分にないアイデアを出されて作る(作らされる?)のも今のところ嫌いじゃないです。
少しでも安くして売ることよりも、手間がかかってでも値段が高くなっても、「こんなことしてます」的なアピールになればいいかなと思っています。
そのうちニーズを掴めるように実力をつけたいです。(^ ^)

DIY 壁下地を探す方法

自宅の壁に棚をつけたい、写真の額を飾りたいと思ってもどうやって取り付けたら良いかわからず躊躇してしまう経験があると思います。
得意な人に依頼するという方法もありますが、ご自身で取り付けたいかたの為に方法をご紹介します。
壁の種類によってそれぞれ対策が異なります。
一般的な壁の種類として、プリント合板(一昔前、応接間等で多用された木目調のプリント板)、石膏ボード、コンクリート壁、土壁などがあります。
プリント合板はそれ自体が薄いベニヤ板なのでビスは多少効きますが、重たいものや頻繁に手に触れる物を取り付ける場合は、プリント合板の奥にある胴縁(どうぶち)という木下地にビスどめする必要があります。胴縁とは4㎝幅で横方向に存在しています。
プリント合板には、仮釘という細い針のような釘で仮どめされた跡が残っています。その小さい針穴が横方向の同じラインに見つかると思います。その横方向のラインに胴縁があるという証です。
またそれから上下約25〜35㎝間隔に胴縁は存在しています。これも針穴の跡で確認できます。
石膏ボードは現在最も多い壁下地です。石膏ボードにはビスは効きません。効いたと思っても何度も手に触れたりした振動でビス穴が緩くなり抜けてしまいます。ボードの奥にある木下地は建物によって縦方向の場合もあれば横方向の場合もあります。
木造の戸建てであれば、柱(10㎝幅で91㎝間隔で存在)と間柱(3㎝幅で柱と柱のど真ん中に存在)の縦方向が多いのですが、プリント合板の項で説明した胴縁の横方向の場合もあります。
マンションの場合は3㎝幅の木下地が縦方向のみの場合と、縦横両方のマス目状に存在する場合があります。一般的には約30㎝間隔ですが約45㎝間隔の場合もあります。
木下地の探し方として、センサーが反応して探すタイプと細い針を壁に突き刺して探すタイプとあります。私は後者の「下地探しどこ太」というはりで探すタイプを使っています。
針を突き刺した跡は小さいためほとんど目立ちませんし、正確な位置がわかります。
コンクリート壁の場合、コンクリートキリとコンクリートプラグ、電動ドライバー、できれば振動ドリルというものが必要なので難易度はグッと上がります。
マンションの場合、管理組合の合意が必要になります。
土壁の場合は下手に触ると壁がボロボロになるので大工に依頼してビスどめできるように、補強してもらう必要があります。
石膏ボード壁の木下地の探し方はYouTubeで「下地探し」と検索すると理解が深まると思います。
棚などの取り付けでお悩みのかたはご相談にのります。
コメント欄にでも質問どうぞ!

死を覚悟した経験

今から1年半前の2014年10月当時37歳の僕は、県立がんセンターにて大腸からの転移による肝臓癌の切除手術を受けました。
その後、化学療法(抗ガン剤)を勧められると同時に、5年生存率12%という宣告を受けました。
僕と同じ症状の患者が辿った結果の統計であり、一応世の中で一番信憑性があるとされるエビデンス(科学的根拠)です。
術後約2年半で100人中50人が亡くなり、5年後には12人のみが生き残り、その後も少しずつ亡くなっていく、というグラフを見せて頂きました。
ステージ1〜4まであるうちの1番重度になるステージ4です。要するに末期がんです。初発の大腸がんのときはステージ2でしたが、その後の転移となると生存率が著しく低くなるそうです。
初発の時とは違い、これは堪えました。「マジでやばい」と。子供のこと、嫁のこと、両親や妹達のこと、今後の治療に関する方針、いろんな事を考えました。
なかでも自分が亡くなると子供の成長を見守ることができないこと、幼くして片親になり寂しい思いをさせてしまうこと(片親の家庭はたくさんありますが、そうは言っても辛いです)は、耐え難い屈辱です。
なんとかして生き残りたくて、がん治療に関して本やインターネットで出来る限り調べました。
また時期が前後するかも知れませんが、身辺整理を本気で考えました。大工道具や軽トラをどこに売ろうかと。そのほうが残された家族の仕事が減り、少しでも高く売って生活の足しになると。しかしそんなこと考える暇があったら、結果はどうであれどうすれば生きれるか必死になったほうがいいと思い、考えを改めました。
また、これも時期が前後しますが、がんセンターに向かう車中、外の景色や他の車を見ながら、「自分が死のうが何事もなく日々経済活動が行われ、いつも通り時間は流れていくんだろな」と自分はひとり見放された脱落者のような気分を味わいました。
誰しも遅かれ早かれ死ぬわけですが、脱落者のように死ぬ悲しい死に方ではなく、人に愛されまた愛し、世の中の役に立ったと本気で思えるような生き方をしていれば、死ぬ本人は口先だけでなく心残りのない人生を歩んだと思えると思います。
お金や名誉などをいくらたくさん手に入れても、「世の役に立てた」「たくさん愛し愛された」という自負がなければ、死ぬ時になって脱落者の気分を味わうことになると思います。
また周りと助け合える強い関係が築けていれば、残された家族の心配も少し減るように思います。
そういう意味で「愛」をもっと意識する必要性を感じています。
がんについて色々調べた結果、自分は今後がんで死ぬことはほぼ無いと信じていますが、いずれ来る次の死を覚悟する機会にはもう同じ思いはしたくありません。
その為にも、どんな生き方をしたいのかを自問しながら実践しなければなりません。

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写真は当時入院中に嫁が送ってくれた子どもの様子。まだ2歳と1歳。どうしても生きたいというモチベーション。

大工になりたての純粋な気持ち

昨日、ログハウスに付随する巨大なウッドデッキの制作に宍粟市一宮町まで行ってきました。
この一宮町や隣の波賀町は山と川が綺麗で昔から好きなドライブコースです。
現場は山に囲まれた自然豊かな環境。施主様は夜空の星を眺めるために別荘として購入されたそうです。
ラジオの電波はかろうじて受信できる程度。ろくな放送がなかったので、ラジオを消すと鳥の鳴き声や小川のせせらぎをBGMに癒されながらも集中して仕事に取り組みました。
その現場で御一緒させていただく大工さんは、僕と同い年の38歳。
僕のガンの話になると、つい最近親友を膵臓癌で亡くされたと仰って、周りでもそういう話を聞く歳になってきたと感じました。
まだ大工歴2年目だそうで、以前は屋久島でキャンドル職人をされていたそうです。
しかし隣の島の噴火による風評被害で屋久島への客足が遠のき、また子どもが産まれたのを機にこれではいかんと以前に経験があり魅力を感じていた大工になるため、去年の末に奥さんの実家のある相生に引っ越されたそうです。
北海道やそれ以前にヨーロッパにも3年程在住したそうです。
その経験を生かしてもっと魅力的な建物を手がける大工になりたいと、ピンタレストで保存している画像を見せてくれながら熱く語ってくれました。
確かに魅力的で聞いていてワクワクしました。
しかしまだ大工としての経験の浅さから、発言力もなく、口だけになってしまい、見習い期間である為誰でもできる雑用に駆り出されて、大工仕事が覚えられないというジレンマを抱えていました。
今はあまり出しゃばらないことを心掛けているそうです。
それを聞いて「そのアイデアは誰にも負けない魅力的な武器であり、少しずつ自分を表現していかなければ育たないから、空気読みながらやってみて」と、偉そうにアドバイスしました。
仕事に慣れてくると、図面通りに納めることや、工期に間に合わせることに意識の比重が大きいなりますが、初心の純粋無垢なワクワクする部分を思い出させてくれるような出会いになりました。
アイデアを暖めていても、人間忘れやすい生き物なので(特に自分は)、何かの形で残せるときに残し、自分の想いを少しずつ表現していったほうがいいだろうなあと、人にアドバイスしながら思いました。
往復3時間の距離で軽トラは少々キツく、帰りは腰が痛かったです。

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