自分の小さな「箱」から脱出する方法

(長文です)

先月の職人起業塾で「自己欺瞞」について学び、そしてそれを深掘りした本書を紹介されました。以前にも同じようなテーマであった回で同じく本書を紹介された折に一度読んでいましたが、情けない話ですが読みっぱなしのままで知恵として我が身に付いておりませんでしたので、改めて、今月のミッションとして読み直し感想を書くことにしました。

このブログを読んで下さる方に1からわかりやすく説明することを目的にしている訳ではなく、自分が折に触れて読み返したときに深く理解したいためにまとめますので、理解しづらい表現もあると思いますがご了承下さい。

 

まず、対人関係の場面で相手と接するときの自分の状態を、「箱の中にいるか」「箱の外にいるか」という表現で説明されています。

箱の中にいる状態とは、相手を操りたいとき、すなわち物として見ているときのことで、箱の外にいる状態とは、相手に抵抗せず、人として見ているときのことを言っています。(上から接するか、下から接するかと解釈出来そうにも思います。)

そして、箱の中にいることによる弊害や、如何にして箱の外に出るか、如何にして外にいる状態を維持することが重要か、説かれています。

箱に入りお互いを責め合うまでの流れを以下に残しておきます。本書にはエピソードにてひとつひとつ具体的に説明されているので詳しく実感をもって理解されたい方は、本書のエピソードを読まれて下さい。

【自分への裏切り】

1 自分が他の人のためにすべきだと感じたことに背く行動を、自分への裏切りと呼ぶ。

2 一旦自分の感情にそむくと、周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点から見るようになる。

3 周りの世界を自分を正当化する視点から見るようになると、現実を見る目が歪められる。

4 したがって、人は自分の感情に背いた時に、箱に入る。

5 時が経つにつれ、いくつかの箱を自分の性格とみなすようになり、それを持ち歩くようになる。

6 自分が箱の中にいることによって、他の人たちをも箱の中に入れてしまう。

7 箱の中にいると、互いに相手をひどく扱い、互いに自分を正当化する。共謀して、互いに箱の中にいる口実を与え合う。

 

また自分にとって重要だと感じた他の内容を、上記と多少重複があるとは思いますが、以下に記しておきます。(これも本書のエピソードが理解しやすく、是非購入などされて読んで頂きたいと思います。)

 

◆自分が相手に関心を持っていることをわからせようとしているとき、相手に関心があるのではなく、相手の目に自分がどのように映っているかに関心がある。
(相手に関心を持っているようで自分に意識が向いているという、このあたりの意識の注意が難しく、大切だと思いました。)

◆一見正しいことをしたとして、たとえそれが正しいことでも、箱の中にいて行った場合には、非生産的な反応を引き起こすことになり、箱の外にいる時とは全く違う結果を招く。というのも、人はまず、相手の行動にではなく、相手のありよう、つまり相手が自分に対して箱の中にいるか外にいるかに対して反応する。
例えば、相手に何かをさせるとき(又はやめさせるとき)、自分が箱に入った状態で相手に接しても相手にそれをさせることはできるが、相手の熱意や創造性をかき立てることは出来ず、やる気を阻害させてしまうという新たな問題を引き起こしてしまう。

◆相手に対する行動がハードであるかソフトであるかは問題ではない。人はいつもソフトな物言いばかりを必要としているのではなく、時には少しばかり厳しい励ましが必要になることもある。相手にハードな内容を伝える場合にも箱の外に出たままでいられることが重要で、それは相手を物として見るのではなく人間として見ている状態が必要がある。
(私は当たり障りのないことばかり話しがちですが、ときには思い切って当たり障りのありそうなことでも、箱の外を意識しながら話していければ、表面的でない関係が築けるのではと思いました。)

◆いったん自分の感情に背くと、すべての思考や感情が、何をしようと自分が正しい、と主張しはじめる。(自分を騙すために、自分を正当化する必要ができてしまう。)

◆自分の感情に背くまで、相手の欠点は自分が手を貸さない理由になっていなかった。自分の感情に背いた時にはじめて、手を貸さない理由になる。
また仮に相手に欠点があるとして、その欠点がより強く感じられるのは、自分の感情に背いた後であるから、実は自分への裏切りのせいで、相手を実際以上にひどい人間に仕立てている。(自分を裏切ることで、裏切った自分を正当化する必要がうまれ、相手に問題があるという歪んだ解釈しはじめる。)

◆ 自己正当化のイメージのいくつかが自分の性格になってしまう。そしていくつかのイメージが箱となって、自分はその箱をいろいろな場所や状況の中に持ち込むようになる。
(自分の裏切りを繰り返すことで、自分を正当化する考えを常に持つようになり、それが性格になっていく。文字にしてみると恐ろしいですが、それが往々にして起こっているということが想像できました。)

◆自分は他の人のことを思いやれる人間だと思っているとき、実際には自分のことを考えている。
自分は他の人を思いやれる人間だ、という自己正当化イメージを持っている。
そういうイメージを持っている自分は、自分のことしか見ていないということになる。
(相手のことを想っているようで、実は自分のことを考えているという怖い話。自分を立派だと解釈した時点で謙虚さが失われるということでしょうか。)

自分は頭が切れて知識が豊富だという自己正当化イメージを持っているとする。相手から自分の知らないことを持ち出されたら、腹を立てたり相手のことを言っていることのアラを探そうとする。すると相手は、次に新しいことを思いついても自分のところには来なくなる。となると、自分は相手から新しいことを学べなくなる。
自分は何でも知っているという自己正当化イメージを持っていると、色々なことを知りたいという想いよりも、自分がどう見えるかが最大の関心事になる。自己正当化イメージとはそういうもの。
(頭が切れて知識が豊富だという認識または自己正当化イメージがあるかないかが問題ではなく、相手のどんな意見にも耳を傾ける謙虚さがあるかないかではないかと思います。自己正当化イメージは、箱の外にいる場合には害にならないと思いました。)

 

◆自分のことを「怒られて当然の人間で誰かに怒られたい」などと普段から思っている人間はまずいない。「自分は完璧とは言えないが人並みにやっている」といった自己正当化イメージを持ち歩いていて、攻撃されたらすぐさま自己正当化イメージを守ろうと、はじめから防御の構えに入っている。すなわち、責められればすぐに箱の中に入る。
したがって、自分が箱の中に入り相手を責めると、相手は不当に責められたと感じて箱の中に入り責め返してくるが、自分は箱の中に入っているもんだから、自分が相手を責めるのは当然で相手が自分を責めるのはお門違いだとさらに責める。
要するに、自分が箱の中にいることで、相手を箱に入るように仕向けることになる。
(先ほど、自己正当化イメージ自体に問題はないと私は解釈しましたが、こちらの文章から、自己正当化イメージを持っていると攻撃されたときに箱の中に入りやすいことがわかりました。箱の中にいる相手から、自分の自己正当化イメージを否定されても、箱の外に居続ける謙虚さというのは、相当なものだと思います。そもそも箱の中にいる相手の意見は歪んでいると解釈していますので、相手の歪んだ意見に謙虚に耳を傾けるというのは達人の域かと思えますが、箱に入ってしまう相手の弱さを理解し許せる余裕が必要かと思います。それにしても、お互いが相手を責めるメカニズムが解明された本書は素晴らしい。「メカニズムをよく理解し、相手を許す余裕」が外に居続けるポイントかと思いました。)

◆箱の外にいると、自分がひどい目にあってもまるで得にならない。ところが箱の中にいると、相手が間違っている、責めて当然という証拠が必要になり、自分が本当に求めているものが見えなくなり、相手に対して一番に望んでいると考えているものではなく、相手は責めるに足る人間であるという自己正当化の材料を手に入れようとしてしまう。
(自分が今、箱の中にいるか外にいるかを常に意識する習慣を持ちたいです。)

◆箱の中にいると、「仕事の成果」に集中しようとしても、自分が優秀だという評判を得たり、その評判を維持したいといった「自分に目を向けること」に手一杯になってしまい、結果に気持ちを集中させられなくなる。
箱の中にいると、他人の成果を自分の成果に比べて軽く扱う。箱の中に入っている人は相手を箱の中に入れようとする。自分自身が欠点を直し損なっているという事実を正当化するために、自分の外側のものを責める。
(他人の成果を自分の成果に比べて軽く扱うことは常々やっているような気がしますので、常態的に箱の中にいる可能性があります。箱の中と外の境界線付近だとは思いますが。)

◆箱の中にいると、箱の外にいる時よりはるかにしなければならないことが多く、負担が大きく感じる。自分は思慮深い人間だとか、価値ある人間だとか、高貴な人間だとか、始終自分の徳を見せつけていなくてはならない。
箱の外にいれば相手のためにいろいろなことをしたとしても箱の中にいる時よりはるかにくつろげる。
(箱の外に居たいと思っていても、様々な判断に迫られる度に、箱の中と外を行ったり来たりしているように思います。日頃からの心掛けで、箱の中に入らないクセを少しずつ身につけながら継続していく意識が必要です。)

 

【箱の中にいる時に、しても無駄なこと】

1 相手を変えようとすること

2 相手と全力で張り合うこと

3 その状況から離れること

4 コミニケーションを取ろうとすること

5 新しいテクニックを使おうとすること

6 自分の行動を変えようとすること

 

【知っておくべきこと】

◇自分への裏切りは、自己欺瞞へ、さらには箱へとつながっていく。

◇箱の中にいると、業績向上に気持ちを集中することができなくなる。

◇自分が人にどのように影響を及ぼすか、成功できるかどうかは、すべて箱の外に出ているか否かにかかっている。

◇他の人々に抵抗するのをやめたときに、箱の外に出ることができる。

 

【知ったことに即して生きること】

◇完璧であろうと思うな。より良くなろうと思え。

◇既にそのことを知っている人以外には、箱などの言葉を使うな。自分自身の生活に、この原則を活かせ。

◇他の人々の箱を見つけようとするのではなく、自分の箱を探せ。

◇箱の中に入っているといって他人を責めるな。自分自身が箱の外に留まるようにしろ。

◇自分が箱の中にいることがわかっても、あきらめるな。努力を続けろ。

◇自分が箱の中にいた場合、箱の中にいたということを否定するな。謝った上で、さらに前に進め。これから先、もっと他の人の役に立つよう努力をしろ。

◇他の人が間違ったことをしているという点に注目するのではなく、どのような正しいことをすればその人に手を貸せるかを、よく考えろ。

◇他の人々が手を貸してくれるかどうかを気に病むのはやめろ。自分が他の人に力を貸せているかどうかに気を付けろ。

 

最後に

箱の外にいることができる人間が多い会社を作る方法を見つけ出すことが成功の秘密である、とありました。
そんな仕組みづくりが出来れば間違いなく良い会社ですし、良い人生になると思います。
本書を読んで、箱の外に居続ける仕組みづくりの重要性を得心できましたので、
常日頃から「箱」を意識しながら、少しでも外にいるクセを強めていき、折に触れてこのまとめを読み返しながら、箱の外に居続ける仕組みづくりという行動に移していきたいと思います。

 

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