「バリアフリー」の思い違い

久しぶりの更新になってしまいました。

現場が1ヶ月ほど休みなく、夜はホームページ改定に向けて取り組んだり、サボったりで、ブログが手付かず。

なのに毎日の閲覧者数は、十数名と半年前より多め。

DIY向けに投稿内容を変えたせいか、投稿していない日でも安定しています。

といっても、たったの十数人ですが。

今日は、昼休みに更新します。

先程、施主さんと私との間で、「バリアフリー」の認識の違いがあったことがわかりました。

バリアフリーといえば、床の段差がないことを意味しますが、建築業界では、バリアフリーでも、敷居とフローリングの段差を3ミリほど作ります。

完全なフラットとは限りません。

業界では3ミリまでなら「バリアフリー」と習います。

今、調べてみると、設計段階で3ミリ以下、実際の施工で5ミリ以下の段差であれば、「バリアフリー」と言えるそうです。

なぜ設計段階と実際の施工で2ミリもの誤差があるかと言うと、3ミリの予定で材料を加工し施工しても、実際はそうなるとは限らないことから、許容範囲を設けていると思割れます。

人間の考えることなので、設計通りに行かなかったり、リフォームであれば現場に合わせなければならないので、多少の融通性が必要です。

で、なぜわざわざ3ミリほどの段差をつけるのかと言うと、敷居の角を踏んだり触ったりした時に怪我をしないように、また、角が割れてささくれないように、「面取り」をします(鉋で角を斜めに削ります)。

建築の化粧材(仕上がりの見える部材)同士を合わせたり重ねたりする場合は、基本的に「面落ち」と言って、面の大きさの段差を付けます。

フラットにしてしまうと、面を取ったところが窪んでいることから隙間が空いたように見えてしまうので、それを避けて基本的には面の大きさ以上の段差を作ります。

敷居とフローリングも「面落ち」になるように3ミリの段差を付けます。

1ミリの段差でも出来ないことは無いですが、特にリフォームになると、現状に合わせなければならず、水平のレベルが悪い時は、均一な段差には出来なかったり、合わせる既存の相手が波打っている場合もあったりするので、「3ミリまでならバリアフリー」という指標で安全側(綺麗に納まる方)作業をします。

見栄え的にも、バリアフリーの定義的にも、これが一番無難な納め方なのですが、

問題は、施主さんをはじめとする一般の方の「バリアフリー」の捉え方と、建築業界での捉え方とに大きな?(3ミリの)ギャップがあることです。

今回、既存のフローリングよりも3ミリ高く新たに設けた敷居を、ダイニングチェアが踏んだり、引き摺ったりするとのこと。

その旨を敷居取り付け後に施主さんから聞いて、まさか和室の敷居にダイニングチェアが被ってくるなどと想像しておらず、

床が一段上がっている畳の間を、老後の生活を考えて今回バリアフリーにしているのだと思っておりましたが、それだけが理由ではなかったそうで、

施主さんの子供、孫達が大勢集まって1つの大きいダイニングテーブルを囲みたい、という素敵な想いがあったそうです。

段差をなくすことで、大きなダイニングテーブルに買い替え、和室側にダイニングチェアが入ってもいいように半間ほど畳をフローリングに変える、という工事だったそうで、

フローリングを貼る理由を理解していればこんなことにはなりませんでした。

今回の現調時に、納まりや工期の方に意識が向いていて、「何のために」工事をしているのか、現調の時に施主さんや元請けさんへの確認が出来ておりませんでした。

今更、接着剤で固めた敷居を取り外すことは出来ないので、上の面を鉋で出来る範囲で段差を滑らかに削ることになりました。

「何のための工事か?」は聞くようにしているつもりですが、難しい納まりや、工期や色々と言われると、ついつい忘れてしまいます。

バリアフリーの定義以上に、気をつけるべきですね。

施主さんには、何故そうなったのかを説明して、ご理解頂きましたが、次に同じような過ちが起きると、そう簡単には納得頂けないと思います。

「元請けさんから大工さんの方に説明がなかったのが問題では?」と指摘を受けましたが、

聞かなかった私にもプロとして問題ありますし、元請けさんも人間ですから、施主さんの相手をしながら私の現調の相手もし、工期や納まりや、両方から同時に聞かれると、伝え忘れも出てきます、といったフォローをしておきました。

「何のために」の共有が出来ていなかったことから、クレームに発展するという、建築あるある?でした。

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